25kmの目標まで残り2周。
このあたりになるとすっかりコツも掴めて、気持ち的にも体力的にも余裕が出てきた。
最後の1周も残りあとわずか。時間もあるし、撮影し忘れたところもある。
何よりも、3年越しでやっと実現した大遠征、ここで終わってしまうのは心惜しい。
今度はもっと味わいながら、もう1周楽しもう。
風は今でも強い。
観客が一番多いメインストレートから左のカーブの過ぎると、すぐに向かい風になる。
ホッケーならではのバック滑走で滑ってみる。
後方からスピードスケートの格好をした人が近づいてきた。
向かい風がかなりきつそう。
私を見るなり、「良いねぇ、バックができて。これじゃできないから...」と
クロスカントリー用のスケートを指さす。
あっという間に抜かされてしまった。
できれば私もそのスケートが欲しい。
でも7年以上も愛用しているこのホッケーで、
おかしな得意技を織りまぜながら気楽に滑ることが、
今は楽しいと思っている。
今度は追い風。高ぶる気持ちのせいか、風に乗っているせいか、
知らないうちにスピードはグングンと上がっていく。
姿勢を低くしてスピードスケーターの真似をしてみる。
高速滑走も楽しみのひとつ。
残り距離を急速に消費する贅沢な楽しみ。
そんなわけで、追い風のコースもあっという間に終わり。
今度はあの因縁の向かい風。
今となればこれも楽しみのひとつ。
バックと左右のクロスで切り抜ける。
鹿の姿はもうなかった。
サービスポイントに到着。
品切れしていたチーズが復活していた。
もちろん食べた。
コンソメスープは、品切れ。
スポーツドリンクのエネルゲン、もちろん飲んだ。
これで思い残すことはない。
スタンプポイント、最後もやっぱり「行ってきま〜す!」。
ここからはのんびり、ゴールイン!
時間は5時間40分、2時間遅れのスタートのため、実際は3時間30分くらい。
まだまだ滑れるような気がする。
動画コーナー用の撮影がなければ、きっと限界まで滑っていただろう。
とりあえず、完走証とメダル、盛りだくさんの参加賞が片手で持ちきれない。
これでは撮影ができない。
アンケートのインタビューにもしっかり答える。
その代わりに参加賞を入れる袋をいただいた。
それでも撮影は無理。
身軽になるために、一度ホテルに戻ることにした。
スノボウェアを着替えていつもの滑走スタイルに。
しばらく撮影を続けたが、午後4時現在で気温は氷点下4度。
さすがに寒い。スノボウェアに戻ることに...